3D puzzles

3次元パズル。

10 Reversible Burr

construction of 10 Reversible Burr pieces of 10 Reversible Burr

5 カ所の切り欠きを上下どちらにするかで単純に考えれば 2 の 5 乗 = 32 通りのパーツができるが、裏返したり上下逆さまにしたり反対向きにすることで同じになるものがあるので、それらの重複を除けば10通りのパーツが出来上がる。それを井桁に組めというもの。適当に組んで行けばすぐ出来上がるという程ではないが難かしくはない。物理的に組めないものを除くと全部で 11 通りの解があるらしい(かなりあやしい) 11 通りどころか、数百通りあるようだ。切り欠き部分とそうでない部分に異なる色の木材を使えばもっと見栄えが良くなるだろう。両端の切り欠きは露出していないと組めなくなることに注意。

(Sep. 22, 2004)

芦ヶ原伸之氏の Pot Stand とほぼ同じデザイン(両端の切り欠きは露出していないがゴム製なので組上げられる)であることが判明した。

他の一部のパズルも含め、石野恵一郎さんのページに載せていただいた。上記指摘も氏による。感謝。このパズルについてはほぼ同じデザインが既にあったので、ちょっと後ろめたい感じも無くはない。 更に、更に、物理的なデザインは全く異なるが、Maarten Vermaak 氏による「Strip Tease」(IPP-2002)と論理モデルは同じようだ(こちらも組上げの制約が無い)。う〜ん、皆考えることは同じか。Vermaak 氏の物理的デザインは、こちらも全く別のパズルで考えていただけに、ヤラレタ!という感じ。

(Oct. 9, 2004)

無題

picture of pieces of Cube-8 picture of Cube-8

立方体に輪を交差しない様にかつ一面の線は高々 1 本になるように描くと 8 種類出来上がる(うち一つには輪が 2 つ描かれている)。それら 8 個で表面が 1 本の輪になる様に大きな立方体を組めというもの。 写真下段は上段のものを、前面上側の頂点が背面下側の頂点にくるようにかつ左右はそのままにして、ひっくり返して撮ったもの。完成したかのようにみえる3枚目の写真の背面は実はバラバラなのだが、ちゃんと解はある。簡単そうだが意外に難しいかも。

(Sep. 22, 2004)

このパズル、イギリスの古いパズル「Python Puzzle」と同一であるそうです。 やっぱり既出であったか。命名も削除し「無題」とした。

12 Straight/Twisted Burr

picture of all pieces picture of assembly

3種類の先端を持つ12本の棒で立方体を組上げる。どの頂点にも3種類の先端が出会う。3本で1頂点を組むときは先端が開いたものを最後に差し込むことになるので、物理的に組上げられない解もあるはず。 3種類を a, b, c とすると、a-a, b-b, c-c, a-b, b-c, c-a の 6 通りの組み合わせが可能で、ひねりを加えることにより 12 本の異なった棒が出来上がる。

(Sep. 22, 2004)

このデザイン、即席で作ったので造りはよろしくないし、見た目もいまいちだ。そこで次の図のようなデザインにすると組み上がりがきれいになる。先端を2枚目のような図面にすると外観もスッキリし、組上げたときに 2x2x2 の立方体になる。この場合、1本はひねりのないまっすぐな棒になる。すると他の 7 本を組上げてから最後に挿入することが可能になるので、物理的に組上げられる解が増える可能性がある実際に増える(石野氏のサイトに掲載されているので参照されたし

image of refined design #1 image of refined design #2

下は Eric Fuller 氏により製作していただいた特別モデル(製品ページ)。手に触れてみてわかるのは、ガタつき無く、しかもスムースに組み立てられる、工作精度の高さ。これは大変なものだ:

(May. 28, 2008)

下は現実には組み立てられない解:


Dodeca Cage (Regular Dodecahedron Cage)

picture of all pieces
picture of implementation picture of implementation

10 個のピースで正12面体を組上げる。1 本の稜で結ばれた 2 頂点に 0〜4 本の稜がくっついた形は全部で 10 通りあるわけだ(右側 3 列の上段と下段は鏡像の関係になっていることに注意)。「Regular Dodecahedron」とは正 12 面体の意味。 実は写真のは半分失敗作。多少たわみや遊びが無いと物理的に組上げるのが不可能なのだ。実物では足の先端を丸めるなどの工夫がされているが、それでも組上げはちょっとやりにくい。2 つの球を結合する棒が伸縮できる様にしたり、あるいは棒をゴムのような素材にするなど、結合方法を変えるなどの改善が必要だ。マグネットの利用も良いかもしれない(S極とN極の見分けがつくようする必要があるだろう)。

(Sep. 23, 2004)

参考:どうやって工作したかを簡単に述べよう。要は球に穴をあける場所に正確に印を付けることと、球を押さえつけて垂直に穴を開けられる道具があれば良い。印を付けるためには、球と同じ直径の輪に正 5 角形の内角の分の間隔で印を入れたものを使えばよい。穴開けには窪みがある2枚の小さな板で球を挟んで万力などで押さえつけ、ドリルを使って穴が球の中心を通る様に慎重にやれば可能だ。

余談:昔飼っていたインコはこれを近づけるとパニックに陥り、非常に恐れていた。

Dodeca Cage #2

さて、上記デザインでは結合関係が「穴と棒」であった。これを同種のものどうし結合させることは可能だろうか? 物理的なデザインが問題になるが、これは結合関係を「握手」に変更すれば良い。すなわち、穴と棒のかわりに「右手」と「左手」に変更するわけだ。右手は右手としか握手できない。解も存在する。下の図は「穴と棒」(左側)および「握手」(右側)それぞれのデザインにおける一つの解の模式図だ。三叉路が12面体の頂点で青い線で結ばれた2頂点で一つのピースを成すとお考えいただきたい。
image of a solution

(Sep. 28, 2004)

Cubes x Squares

注意:このパズルと下の Cubes + Squares には解がありません(理由は下記参照)。[Caution: Both this puzzle and the next puzzle 'Cubes + Squares' are impossible because of parity inconsistency.]

drawing of the model

前記 8 個の立方体のパズルが既出だったので(Python Puzzle)、もう少し頭をしぼってでっち上げた作。 まずは論理的なデザインから述べよう。図の上段のようなパターンの 8 個の立方体と中段のようなパターンの 6 枚の 2x2 のタイルを用意する。パズルの目的は 8 個の立方体で 2x2x2 の立方体を作りその各面を 6 枚のタイルで覆うのだが、その際に接する面どうしの対角線は交差する様に組めというもの。

次に物理的なデザインについて述べよう。図の下段左のように、左側の対角線が描かれた面を右側の丸が 4 個描かれた面と解釈する。ここで、白丸は出っ張り、黒丸は窪みで、白丸と黒丸がちょうど合わせられる様になっているものとする。これで組み立てるときに間違えようが無くなる。例えば図の下段右のように面の中央部に 1 辺 1/4 の小さな立方体の出っ張り/窪みを付けるようにすれば、立方体だけでも構成可能だ。上で対角線は交差する様に組むと書いたが、一致するように組む場合はデザインを変えなければならない。あまりスマートではないが、例えば窪みのみにして、そこにはまる小さなピンをたくさん用意するなどが考えられる。

さて、上記のパターンであるが、立方体の各面に対角線を 1 本ずつ引くとき、その引き方は全部で 8 種類存在する。もちろん回転するなどして一致するものは同一視する。それが図の上段(右端 2 つは互いに鏡像の関係になっている)。また、2x2 のタイルの各正方形に対角線を 1 本ずつ引くとき、その引き方は全部で6種類存在する。それが図の中段というわけだ。

最後に解答だが、実はまだ見つかっていない。頭で解くにはややこしすぎるし、作るのも大変だ(全部で 8x6x4+6x4x4 = 288 個の窪みと出っ張りが必要なのだ!)。誰か実際に作ってみないか?(って作ってから解答が無いなんてことになっても責任はとれないが)解けないんです、これ (T_T)

(Sep. 24, 2004)

Cubes + Squares

drawing of the model

対角線のかわりに縦横の線にしても Cubes x Squares と全く同じ様にして、パズルが出来上がる。本質的には異なる様に思えるが、もしかしたら同一のモデルで説明できるかもしれない。こちらも解答は未発見。

(Sep. 24, 2004)

さて、Cubes x Squares で対角線を一致させて組むことについて述べたが、実はそのモデルがこちらと同一になる。Cubes x Squares を対角線を一致させて組み上げた状態を想像してみよう。その状態で、全てのピースの全ての面の対角線を面に向かって 45 度一定方向にひねると、どの組み合わせ面もちょうど縦横の線が交差した状態になる。と、同時にちょうど Cubes + Squares の全てのピースも出来上がっているのだ。当然 Cubes + Squares で全ての線を一致させて組上げるモデルも Cubes x Squares で対角線を交差させて組み上げるモデルと同一になる。

解の存在

石野さんより、Cubes x Squares にも Cubes + Squares にも解は存在しないとのご報告をいただいた。立方体だけを組む場合の総数は 820800 および 823680 通りあるとのこと。毎度のことながら、石野さんに感謝。したがって、この2つのパズルのモデルは異なる。並べ方は相当あるはずなのだが…しょっく〜。尚、立方体だけを組んだ状態で全ての面を同じパターンにすることもできないそうだ。

本来なら解けないパズルなど掲載しても無意味なのかもしれないが、解が存在しないのにはきっと数理的な理由があるのではないか? と考えてみた。結論が出たので、それを掲載することにも意味があるだろう。まずは Cubes x Squares について考える。8 個の立方体でできた 2x2x2 の立方体が 6 枚の 2x2 の板で囲まれて、組み上がった所を想像する。どこでも良いから隣り合う2つの立方体の中心を通る軸を考えれば、その軸が通る面は順に、板の面 A, 立方体の面 B, C(B の裏)立方体の面 D, E(D の裏), 板の面 F となり、A-B, C-D, E-F の対角線は交差する。このような軸全て(全部で 12 本)にわたり、(軸の一端から立方体や板を透視して)A-F が交差する場合の総数 n の偶奇性を考える。 まず、 B-C, D-E が共に交差または一致するなら、A-F は交差し、そうでないならば A-F は一致する。すなわち、
(1) n の偶奇 = 8 個の立方体(計 48 面)において裏表で対角線が交差するペアの総数の偶奇
(B-C, D-E が共に交差する総数を xx, 共に一致する総数を yy, その他を xy とおき、裏表で対角線が交差するペアの総数を x とおけば、xx+yy+xy = 12, x = 2xx+xy, したがって 2 を法として n = xx+yy = 12-xy = xy = x-2xx = x)であり、実際に調べてみれば奇数になる。次に、板の面 A と F が交差することは、一方の面では対角線の一端が 2x2 の板の中心にあり、他方の面ではそうならないことと同値である。したがって、
(2) n の偶奇 = 6 枚の板(計 24 面)において 対角線の一端が板の中心にある面の総数の偶奇
であり、実際に調べてみれば偶数になる。つまり、(1)(2) の偶奇性が合わないので、組上げることは不可能というわけだ。 Cubes + Squares については、 Cubes x Squares の対角線を一致させるモデルと同じであることがわかっているので、上記と同様な論法でやはり不可能であることが証明される。また、立方体だけを組んで全ての面を同じパターンにすることができないことも同様にしてわかる。う〜ん、Python Puzzle のリベンジならず(教訓:事前に数理モデルを綿密に検討すべし m(_ _)m )。

(Oct. 10, 2004)


著作/デザイン:広瀬行夫