|
新ページをご覧下さい。 http://www.kitasenri-ah.jp/北千里動物病院 北千里動物病院
縫合糸肉芽腫 縫合糸肉芽腫(縫合糸反応性肉芽腫)とは、手術の際に使用された縫合糸が 原因でおきる肉芽腫のことを言います。 近年、獣医系の学会や論文で多数症例報告があがってきています。 試しに「縫合糸 肉芽腫」で検索してみていただくと、意外にこの病気が 多いことがお分かりいただけるかと思います。 どのような犬種でも起こりえる病気ですが、ミニチュア・ダックスフンド、シーズ、チワワ、シェルティ マルチーズ、トイプードル、雑種などで報告があります。 手術を行うにあたって、血管を結紮したり、組織を縫合したりするには外科用の縫合糸が必要 起きることになります。この組織反応が過度に生じることで肉芽組織ができてしまった物を 縫合糸(反応性)肉芽腫と呼んでいます。 この肉芽腫の程度や発生部位によって様々な症状を呈します。 肉芽腫から連なる瘻管が皮膚に開口し、液体が漏出したり、内臓を巻き込んだり、尿管を閉塞 縫合糸肉芽腫の原因となる糸としては外科用の絹糸が筆頭にあげられます。 当然この糸は滅菌状態で使用されるのですが、何年たっても生体内に残存するという 特性をもっています。この非吸収性の性質が過度の組織反応を惹起していると考えられます。 また、なんらかの原因で雑菌が絹糸に付着していた場合も縫合糸肉芽腫の発生を 惹き起こしやすいと考えられます。 最近ではいわゆる「溶ける糸」・・合成吸収性縫合糸が用いられる事が多くなっていますので、 もし吸収性糸による強い組織反応が出たとしても、その糸が生体内に吸収されてしまうまでの 期間なんとかしのげれば大事には至らないと言うことになります。 しかし、理想としては体内にできるだけ異物である糸を残さない手術(無結紮手術)を するべきであろうと考えられます。 もし、縫合糸肉芽腫になってしまった場合ですが、肉芽腫と残存する縫合糸を 除去する手術を行うしか根本的解決方法はありません。 手術困難と判定された場合はステロイドをはじめ、免疫抑制剤などを 継続的に投薬して反応を観察していく事になります。 実際の症例
右鼠径部に腫れを生じています。 さわってみると、非常に固い腫瘤として触知されました。 このワンちゃんは約1年半前に去勢手術を受けられたとの事でした。
切開してみますと、鼠径部に肉芽腫が形成され、周囲に癒着していました。 肉芽腫を切開してみると変性した絹糸が出てきました。 精巣動静脈・精管を絹糸で結紮したものと推察されました。
これら肉芽腫を丁寧に剥離し、一部鼠径の筋を切除しました。 このような症例ではまた、糸を使うことで肉芽腫形成の恐れがあるのですが、 モノフィラメントの合成吸収糸を使用し、閉創しました。 この症例ではその後問題を起こすことなく、現在も元気にしています。 −−縫合糸肉芽腫を避けるために−− それでは、縫合糸肉芽腫を起こさないようにするにはどうすればよいでしょう? もっとも簡単な答えは「縫合糸を使わない事」です。 しかし、外科手術に際してはどうしても縫合しなければならない状況が多々あります。 特に何か臓器を摘出する(たとえば卵巣子宮、脾臓などの摘出)場合、血管を縫合糸で 結紮するという作業を何カ所も行う必要があります。 この「糸による血管の結紮」をある特殊な器械を用いることで不要にする事ができます。 それが「血管シーリング」と言われるものなのです。
外科用エンシールシステム SURG・RX 当院ではこの血管シーリング専用の最新鋭エンシールシステム、 SURG・RXをこの度導入致しました。 この機械では電気メスやバイポーラーといった従来の機械では止められない大きな血管を 確実にシールし、離断することが可能です。
エンシールシステムを用いて卵巣動静脈をシールしているところ。 今までの術式では縫合糸を用いて結紮を行っていました。 血管シーリングによって得られる耐血管破裂圧は収縮期血圧の7倍に達するため、 糸で結紮した場合と同等の安全な血管閉鎖ができます。 エンシールシステムを用いることで、体内に残す糸を最小限にすることができ、また 手術時間も短縮できることから、動物の負担を減らす事ができます。 これから避妊・去勢手術をお考えの飼い主さんは当院にご相談下さい。 Copyright(C) Kitasenri Animal Care Hospital, All rights reserved.
|